生活の詩のようであり、社会への書簡のようなもの。

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コーヒー豆のハニカム構造がペーパードリップに与える影響

この記事は、コーヒーアドベントカレンダー2日目の記事です。

1日目は、@totzyutaさん(僕)の、「コーヒーの旅路ー1杯がテーブルに届くまで」でした。

とういことで今回は、以前のブログで挙げていたものをもう一度大幅改訂して再掲します。(もう疲れ始めたとかではないですよ、決して。)

昨日の外観的な記事から一転かなり局所的な内容な気もしますが(笑)、個人的にすごい気になるところだったので今回を機にいろいろ調べ直せたりできてよかったです。


カリフォルニアで出会った知り合いがコーヒーが大好きで、その知り合いとよくコーヒーについて語っていた。その人はとても魅力的で鋭い感覚を持っていて、その人に教えてもらったことがたくさんありました。

わりと有名な話だとは思うけど、コーヒー豆のハニカム構造が抽出に大きな影響を与えているということも、そこで得た知識のうちの一つだ。そのハニカム構造こそが、抽出のさいのポイントになると、教えてくれた。

自分でドリップする中で、そのようなコーヒーにおける科学的な側面から経験と結果に基づいて理論を導き出すことは難しい。

ということで今回は、コーヒーの持つハニカム構造について調べて、それをここで自分なりのひとつの理論としてまとめてみようと思う。

ハニカム構造とは

まず、ハニカム構造とは、以下のような、蜂の巣とかでよくみるような六角形が隣接しあってできた構造のこと。

Kobito.ZDX8fO.png

引用元: http://d.hatena.ne.jp/coffees_for_healthy_life/20130821

どうやらこれは、細胞壁が炭化した際に生じる構造らしく、ということは焙煎後の構造らしい。

そしてコーヒーの成分はこの壁に付着していて、炭酸ガス(よくコーヒーのうまみの核と語られる)がここに詰まっているとのこと。

抽出の仕組み

コーヒーのハニカム構造の概要についてみたところで、コーヒーの抽出自体の仕組みについてももう少し掘り下げてみようと思う。

以下の記事で、なぜペーパードリップでの抽出時に豆が膨らむのかについてすごく詳しい説明がされていました。

coffeemeetsbagels.com

この記事で、

透過法はこの膨らみによって形成された透過層(※)に湯を繰り返し通過させることで、コーヒーの成分を湯に溶かし出す仕組みだからです。 膨らまなかったり、逆に陥没して減っこんだりするような状況では、透過法のロジックが破綻してしまいます。

とあるように、透過法、つまり普通のペーパードリップのような抽出方法においては、繰り返しお湯が粉を通過することが大事なのですね。

浸漬法と透過法の違いについては、以下が非常に詳しかったです。

kacco.kahoku.co.jp

(僕も完全に勘違いしてたのですが、ケメックスは透過法に該当するのではなかったのですね(!!)まじか!)

ここの記事によると、コーヒー豆のハニカム構造における六角形は(外接円の直径(対角長)が?)0.01mmほどの大きさとのこと。

そしてここの記事によるとコーヒー豆の粒度は中挽きで0.6~0.71mmほどになるそう。ということは粉にしたコーヒーの粒子のうち一粒につき60~70ほどの空洞があることがわかる。

そして大事なのはこの空洞、透過層をお湯が何回も通過することでそのコーヒーの成分を抽出すること。

ペーパードリップの大前提は実はそこにあって、ただ重力に従ってお湯が下に落ちたのでは均等に成分を抽出することができない。

お湯がこのハニカム構造の外壁を溶かし、そこから漏れた炭酸ガスによってお湯が押し上げられてまた構造の奥に浸透していく...、を繰り返すことによって均等な成分の抽出が行われる。

だから抽出のときに膨らむのがよいこととされてるんだ。なるほどすぎる。

ハニカム構造を考慮した抽出の2つの理論

1. 豆の細さは、中粗挽き

細すぎると、すべての空洞にお湯が行き渡っていい面もあるかもしれないが、その分ハニカム構造をより多く破壊していることにもなる。

だから結局、ちょうどよいくらいの挽き具合がいいのだろうと思う。僕の中で現状ちょどいいと思うのは、中粗挽きくらいだと感じている。まんべんなく成分を抽出できる範囲で、構造をできるだけ破壊しないようにとどめるということが重要かなと。

2. 膨らみを重要な評価基準にする

今まで抽出中に豆が膨らむのを、なんとなく、「あー新鮮な豆なんだなぁ」くらいにしか思っていなかったけど、ここは本当に重要な評価基準だった。

豆が膨らむということは、このハニカム構造の空洞の中に炭酸ガスがまだたくさん含まれていたということ。

そしてこの炭酸ガスが空洞間の蒸気やお湯の流通を手助けしてくれるということだ。

だからペーパードリップという抽出方式の観点から見ても、コーヒー豆が新鮮である、ということは非常に重要なことだったんだ。

さいごに

ということでハニカム構造が抽出に与える影響について考察してみたけど、実際この理論を、経験を持って身のあるものにしていかないといけない。

ということで抽出の際にはこういった理論を意識して一杯ずつにエビデンスを持っていかなきゃいけないなと思ったのでした。

明日は

ということでコーヒーアドベントカレンダー3日目はLIGHT UP COFFEEの川野さんの「僕がコーヒー屋さんを始めたわけ」です!!!

ガチプロロースターの方に書いてもらえるのアツすぎる。。。LIGHT UP COFEEめちゃくちゃいいのでぜひ吉祥寺いってみてくださいーーー!

余談

余談で全く関係けど、金沢大学のあの有名な廣瀬教授はイグノーブル賞をもらってたんですねw カコイイ

イグノーベル賞学者でもある珈琲博士・廣瀬幸雄名誉教授が発明した過熱水蒸気焙煎機でコーヒー豆を焙煎すると、水素分子を内蔵した焙煎豆ができてくるのです。 http://d.hatena.ne.jp/coffees_for_healthy_life/20130821

友人が金沢大学にいっているので、行ってみたいな。教授がまだいらっしゃるのか少し定かではないけど。。。

参考記事

記事中であげさせてもらった以外の参考にさせていただきました記事です。

ちゃんとした、ペーパードリップのコツ お家がカフェ/ウェブリブログ

おいしいコーヒーのヒント Vol.3 【淹れたて編】 | Saredo Coffee

家で飲むコーヒーを美味しくするたった1つの方法 | 琥珀色のウタカタ

珈琲焙煎工房ari Official Blog♪ コーヒー豆のハニカム構造

ペーパードリップ「蒸らし」の必要性 | おいしいコーヒー通販|バリスタが選ぶ人気ランキング