生活の詩のようであり、社会への書簡のようなもの。

生あたたかい血の通ったcontributionを、貴方と、アフリカと、そしてわたし自身に優しく美しく届けれるようになりたい。

コーヒーな書籍5選と気になっている本

こんにちは、とつ(@totzyuta)です。

コーヒーアドベントカレンダーで6日目が空いたため、6日目となるこの記事を未来から書いています。

コーヒーアドベントカレンダーを最近の楽しみに生きているため、なぜか意味なく「埋めなくては」という強迫観念にかられています。楽しいです。


ワインに関連する本って、たくさんあります。ワイン自体のことに関する本だけじゃなくて、ワインを題材にした小説なんかまで。

ですがこれだけコーヒーを好きな人がいて、コーヒーに関する書籍がフィーチャーされることって、あんまりなくてさみしいなぁと感じます。

ということで今まで読んだ中でオススメの本を5冊紹介するエントリを書いてみたいなと思いました。

アフィリンクは面倒だしamazonのリンクがベタベタなってるのってなんかかっこよくないので貼ってないです。気になった本はぜひググったりしてみていただけると嬉しいです。よい本ばかりです(!!)

コーヒー おいしさの方程式 - 田口 護、旦部 幸博

カフェ・バッハの店主である田口護さんと、百珈苑BLOGを書かれている旦部さんの共著書。

田口さんの幾多のトライと経験から生み出した理論に、旦部さんの科学的観点からみた理論が合致していくさまは、読んでいてとても気持ちいいものがありました。

焙煎から抽出まで、これを読めばコーヒーのことについてかなり詳しくなれます。

ただし、ドリップて何?くらいのレベルで読み始めると恐ろしいことになりますw

僕は焙煎のことについては詳しくなかったので、焙煎のチャプターは理解が追いつききらなかったなと感じました笑 「またもっと焙煎をちゃんと経験積めたらもう一度」みたいな感じで何度も読み返したくなる本だと思います。

A Good African Story - Andrew Rugasira

Good African Coffeeというアフリカで栽培からパッケージングまでされているコーヒーブランドの会社の話。

著者のAndrew Rugasiraさんはウガンダ出身でイギリスの大学で経済学を学び、再びウガンダに戻り会社経営をやられている方です。もともとやっていた映像系の事業をやめ、よりウガンダの社会のためになる事としてコーヒーを選びました。

これは現在もほぼ変わっていませんが、アフリカや南アメリカなどといった、大半が途上国である国で生産・精製された豆の一部の質のよいものが先進国に輸出され、焙煎・パッケージング(ブランド化)されるという流れで僕たちのテーブルまでコーヒーはやってきます。

おいしい"国内産"のコーヒーをつくるために、農家の方と信頼関係を結ぶところから、焙煎・パッケージング、イギリスの大手ストアの棚に置いてもらうための営業まで、Andrew Rugasiraさんが泥臭くGood African Coffeeを立ち上げる話が書かれています。

「おいしいドリップコーヒーの淹れ方」とかが分かる本ではないですが、アフリカにおいてコーヒーがどういうものなのか、途上国の農家の方々と私たち消費者の両者にとって持続性のある関係性、みたいなものについて考えさせられる本です。

オススメ。

僕はコーヒーが飲めない - 川島 良彰(監修), 吉城 モカ(イラスト), 福田 幸江 (原著)

完全なるコーヒーが好きな人のための漫画です。

spi-net.jp

コーヒーが好きな人なら100%楽しめる本だと思います。2巻でハワイの農園にいくところも、多分川島さんの経験に基づいてなのか、農家の方の実情を知った上で書かれているのかなと感じて、とてもグッドだなと思いました。

実はこの漫画は、僕はあまり詳しくないのですが、著者の方が他の作品で忙しく2巻で止まっているとの噂をきいていたのですが、調べてみたところTwitterでこんなつぶやきが...。

ということで、再会されていてしかももうすぐ3巻発売とのこと!!!!!

嬉しすぎる!!!!!!!

たのしみ〜〜〜〜〜

The Blue Bottle Craft of Coffee: Growing, Roasting, and Drinking, with Recipes - James Freeman, Caitlin Freeman, Tara Duggan

Blue Bottle Coffeeといえば、今何かと話題の「サードウェーブコーヒー」の火付け役と言われていて、元クラリネット奏者のJames Freemanが創業者です。有名な話として、Twitter創業者のエヴァン・ウィリアムズ、Instagram創業者のケヴィン・シストロム、WordPress創業者のマット・マレンウェッグが投資者として名をあげていて、Techな世界の文化が流れてきていることも、コーヒーの世界ではまた新しい。

bluebottlecoffee.com

Blue Bottle Coffeeについての記事だと、以下のWIREDの記事がとてもよかったです。僕の予想では、マイクロブリューイングにもこだわっているはずのJames Freemanが投資をもらい店舗を増やして海外展開までするのには心理的な抵抗もあったんじゃないかと思ってます。そんなところまで感じさせてくれる記事。

wired.jp

そんな彼がどのようにコーヒーを育て、ローストし、それを僕たちが飲んでいるのか、みたいな本です。写真もめちゃくちゃ綺麗なのが本当によいです。

Blue Bottle Coffee、おいしいです。。日本では青山の二号店にしかいってないのですが、アメリカではかなりの人気っぽくSan Franciscoには何店も出店しているのでそのうちのいくつかに行きました。今度清澄の方も誰かぜひ一緒に行きましょう。。笑

珈琲哲学序説 - 寺田寅彦

物理学者であり夏目漱石の門下生でもあった寺田寅彦さんの短編。短編というか、雑誌のひとコラムといった感じかもしれないですね。

こちらは著作権がもう切れているらしく、オンラインで全文が掲載されていました。

寺田寅彦 コーヒー哲学序説

このコーヒー哲学序説は「小宮豊隆編『寺田寅彦随筆集第四巻』」に収録されたものらしいです。

『コーヒー哲学序説』の初出は昭和8年2月、雑誌『経済往来』に掲載された。一杯のコーヒーを哲学、宗教、芸術であると喝破した寅彦。コーヒーの効能について「宗教は往々人を酩酊させ官能と理性を麻痺させる点で酒に似ている。そうして、コーヒーの効果は官能を鋭敏にし洞察と認識を透明にする点でいくらか哲学に似ていると考えられる。酒や宗教で人を殺すものは多いがコーヒーや哲学に酔うて犯罪をあえてするものはまれである。前者は信仰的主観的であるが、後者は懐疑的客観的だからかもしれない」と持論を披歴する。 http://sub.ris-co.jp/campus/index.php/weblog/archives/8

この本を読むと、「自分にとってのコーヒー」について考えさせられる。それは「美味しいから飲む」ものなのかもしれないし、「眠りから遠ざけてくれるもの」かもしれないし、もしかしたら寺田寅彦のように「コーヒーの味はコーヒーによって呼び出される幻想曲の味」なのかもしれない。

芸術でも哲学でも宗教でも、それが人間の人間としての顕在的実践的な活動の原動力としてはたらくときにはじめて現実的の意義があり価値があるのではないかと思うが、そういう意味から言えば自分にとってはマーブルの卓上におかれた一杯のコーヒーは自分のための哲学であり宗教であり芸術であると言ってもいいかもしれない。 寺田 寅彦 (2012-09-13). コーヒー哲学序説

芸術と哲学と宗教とコーヒーの共通点を活動の原動力としているけど、そう考えると誰にとってもそういうものはそれぞれあるものではないかと感じるし、じゃあ誰にとってもその原動力こそが哲学であり宗教であり芸術であるように思える。

紛れもなく僕にとってのそれはコーヒーなんだろうなと、この本を読んで感じました。(なんか紹介じゃなくて読書感想文になっている...笑)

読みたい

これから読みたい本、今気になってる本リストもメモしておきます。。

  • COFFEE WITH TIM WENDELBOE 日本語版

fuglentyo.thebase.in

  • 私はコーヒーで世界を変えることにした。 - 川島良彰
  • おいしいコーヒーの経済論(「キリマンジャロの」苦い現実) - 辻村 英之
  • コーヒーのグローバル・ヒストリー 赤いダイヤか、黒い悪魔か - 小澤 卓也
  • 田口護のスペシャルティコーヒー大全 - 田口 護
  • スターバックス再生物語 つながりを育む経営 - ハワード・シュルツ

おわりに

ということで、読んだ中から選んだおすすめなコーヒー関連書籍5冊と気になっている本たちでした。

なんか読書感想文みたいになりましたが、一度まとめておきたいなと思っていたのでよかったです。

ということでコーヒーアドベントカレンダー7日目はYuka Watanabeさんの記事です!スタバ一号店に関しての記事とのこと〜〜〜。

僕もいっときパートナーとして働いていたので、たのしみ。


www.seattle-life.info