デザイン
「機能的」であることが、デザインだと考えていた。
理論と目的の指向性が、デザインのことだと思っていた。
でも、余白を埋めていくように行われるそれは、なんだかとても、窮屈に感じた。
デザインって、こんなことなのかって、落胆した。
気づいたら、「デザイン」ということば自体が、なんだか好きじゃなくなっていった。
でも、ふと、ぼくのなかでだけ、変えてみよう、って思い立った。
日常のなかでのささやかな発見を、やさしくて、あたたかくて、美しくて、素敵だと感じるたのしさや喜びに変換していく行為のことを「デザイン」と呼んでみたい、と思った。
「機能」はやさしさであって、そんな美しさのなかの、ひとつのこと。
余白を埋めていくのではなく、余白が生まれてしまうような。
そうした喜びを、何か社会と関わりのあるかたちとして、たちのぼらせること。
それは、コーヒーなのかもしれないし、椅子なのかもしれないし、器なのかもしれないし、服なのかもしれない。
そういうことを、やっていきたいのかもしれない、と思った。